謎に迫る〜画家マグリットのこと〜

森 耕治 著 「マグリット:光と闇に隠された素顔」 を読んだ。


私が美術に興味を持つきっかけとなった画家マグリット
それだけに思い入れも強く、遠くベルギーまで足を運んだほどだ。
紙幣の肖像になっているくらい、ベルギーでも愛されている。


マグリットは過去についても、作品についても多くは語らなかった。
作品も謎なら、画家自身も謎なのである。
そんなマグリットの真相に迫ったのがこの作品。
王立ベルギー美術館の公認解説者でもある著者が、
時代背景と作品からマグリットの真相に迫る。


内容は非常に素晴らしかった。
マグリットファンなら必読である。
出版されたばかりで、マグリットゆかりの写真も新しく新鮮。


近所でも評判の悪ガキだった少年時代、無神論者の父と敬虔な信者の母親。
その母親の自殺、戦争、愛してやまない妻。
様々なキーワードから作品を読み解き、その作品からさらに画家自身を読み解く。


なにより著者のマグリット愛が感じられる良書。
この本にも出てくるが、2009年に王立美術館の横にマグリット美術館なるものができたそうだ。
行ってみたいけれど、ブリュッセルに再び行くことはあるのだろうか。。。


マグリット 光と闇に隠された素顔

マグリット 光と闇に隠された素顔